課長補佐 小川 長利さん 主任主事 東郷 秀和さん
レポーター 滋賀県立大学グリーンコンシューマーサークル 上村、齋藤、中村

今回の突撃レポートは、滋賀県庁を訪問しました。
滋賀県の会計事務や県庁、県関係機関(大津内)の物品購入を担当される「出納局」におじゃまして、 管理課エコオフィス担当の小川さん、東郷さんにお話を伺いました。
滋賀県は1994年、未だ「グリーン購入」という言葉の無かった時代に、物を買う「出納局」という 部署から環境の取組を始めようと「滋賀県環境にやさしい物品の購入基本指針」を策定し、全国に先駆 けて組織的にグリーン購入の取組を始めました。このときに作られた「滋賀県機関で採用した環境対応 製品推奨リスト」が、県内外の企業や自治体にも大きな影響を与え、そこからGPNの設立(96年)や グリーン購入法の制定(2000年)などに繋がったことで知られています。 98年には本庁に「用品センター」を開設して、各課で不用となった消耗品の有効活用や、全庁的に共 同利用できる物品の集中管理、環境対応製品のサンプル品の展示、貸し出しなどが始まり、グリーン購 入の前提条件である「必要なものを必要なだけ」買うという取組が徹底されるようになりました。その 後も、「消耗品即時交付 システム」の導入、庁内ネットワークシステム上の「グリーン購入の広場」 開設、「電子カタログ」の導入など、取組の幅を広げておられます。 GPNが実施する表彰制度「グリーン購入大賞」では、第1回の「大賞」を受賞している滋賀県。 この度の第9回グリーン購入大賞では、滋賀GPNとの連名で応募した「グリーン購入実践プラン滋賀登録 制度(GPプラン滋賀)」にて、プロジェクト部門「優秀賞」を受賞しています。
滋賀県では、2006年度から、“グリーン入札制度”を導入しています。“グリーン入札制度”とは
、グリーン購入を推進するため、県で使用する環境配慮型製品を購入する場合、環境負荷の低減に積極的
に取り組む事業者「環境配慮事業者」から優先的に購入するという制度です。
そういえば、GPNの制定している「グリーン購入基本原則」は確か・・・
原則1 まず、買う前に必要性を考える
原則2 環境に配慮した商品を選ぶ
原則3 環境保全に取り組む事業者から購入する
・・・でした。滋賀県の取組は、まさにこの基本原則に沿ったものなのですね!
この“グリーン入札制度”の目的は、環境に配慮する事業者から優先的に商品を購入することで、企業に
対し、環境保全に取り組み、環境に配慮した商品を売る(作る)動機付けを行うことにあるそうです。

@「滋賀県物品等に係る競争入札参加資格者名簿」に登録されていること
A県内に本店、支店、営業所などを持っていること
BISO14001、エコアクション21、KESなどの環境認証を取得している、もしくは、グリーン購入実践プラン 滋賀登録制度(GPプラン滋賀)に登録していること
上記の3つの要件を満たしていれば、「環境配慮事業者」として県に登録することができます。
グリーン購入実践プラン滋賀登録制度(GPプラン滋賀)というのは、グリーン購入の取り組み を宣言した中小企業者を登録し、その取組を支援する制度です。 登録した事業者には、グリーン 購入を実践すること(購入実績の記録や集計)と、「GPプラン滋賀支援プログラム」に参加すること などが、義務付けられています。
GPプラン滋賀の対象は中小企業者ですが、他の環境認証に比べて取得費用・経費がかからず、 比較的取り組みやすくなっているので、登録事業者の方からも好評です。 なお、このGPプラン滋賀の運営は、滋賀GPNで行っています。
「グリーン市場やグリーン購入を広げていくためには、大口の消費者である県がまず行動 を示さなくてはならない。大口である県の考えが変わることによって、県に関わるみんなが変わ っていく。」小川さんのお話では、行政の調達部門で県内の経済活動の1/4を担っているのだ そうです。県がグリーン購入することで、大きな市場が環境配慮の方向に動くことがわかります。
また、「環境部門ではなく、調達部門が環境に取り組むことに大きな意味がある。」という ことを小川さんは強くおっしゃってました。滋賀県が環境に取り組む時に、環境部門は環境啓発、 調達部門はオフィスの中のものを率先してグリーン調達にする、それらのどちらかを優先するの ではなく両輪のごとく行うことが大切。」なのだそうです。

滋賀県のグリーン購入の立役者である小川さんは、日々の取り組みにおける意義や責任、重要なポイントを語って下さいました。 「県がグリーン購入を行う最大の目的は、多くのグリーンコンシューマーを育てること。行政は企業活動や人々が生活をしていく うえで隙間になっている部分、利益にならない部分、必要だけど儲からない部分をするのが仕事。そして何事も、楽しく得をする、 つまり儲かる仕組みを作る必要があります。でないと長続きしないのですよ。」
そして、グリーン購入に関わるお仕事を小川さんより引きつがれた東郷さんは、今後の活動に向けての意気込みを語って下さいました。 「仕組みが軌道に乗ったとしても、そこで立ち止まると徐々に取り組みの質も落ちていってしまいます。事業者の方にもどうすれば 無理なく取り組んでいただけるかなど、常に制度を改良していこうという気持ちが大切なのだと思います。みんなが良いと思えるもの、 誰の立場から見ても良かったと思えるようなものを作っていきたいです。」
取材を終えて、まず思ったことは、すごい!ということでした。また、出納局がするから意味がある、ということがとても 印象的でした。県が動けばほかのメーカーさんも動くし、お店も動く、だからまずは行政がやる。自らの立場を理解されて効果 を最大限に発揮するということを、実際に実践されているのはとても意味があることだと思います。そしてその根本に、県も 「一買い物客」であるというシンプルな考え方があることがいいなと思いました。(齋藤)
『取り組みたくなる仕掛け』ってのは、思いつくまでは大変で、思いついたら簡単だ、と思っていました。でも、本当に誰 もがグリーン購入を進めたくなるような仕掛けをつくるには、時間と体力と根気が必要だということを、お二人の熱心なお話を聞 いていて、痛いほど感じました。私も情熱をもってグリコンで活動していきたいと思います。(上村)
お忙しい中、取材を受けていただきありがとうございました。
(文責:滋賀県立グリーンコンシューマーサークル)
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