滋賀県立大学 グリーンコンシューマーサークル

滋賀GPNグリコン突撃レポート

Term39 滋賀県環境生活協同組合
取材日07.11.12
〜買い物が世界を変える〜

理事長   藤井 絢子さん

レポーター 滋賀県立大学グリーンコンシューマーサークル 齋藤・阪井・三田

滋賀県環境生活協同組合の藤井理事長
お話を伺った藤井理事長 事務所内の棚には様々なエコ商品が並ぶ

今回の突撃レポートの訪問先は、滋賀県環境生活協同組合さん(以下環境生協)です。環境生協さんは「第9回グリーン購入大賞」の民間部門「大賞」を受賞されたところです。

JR安土駅のすぐそばの事務所におじゃまして、理事長の藤井絢子さんにお話を伺いました。とてもパワフルで前向きな藤井さん、活動の様子をいきいきとお話ししてくださいました。

環境生協の活動内容

皆さんは環境生協さんが、どのような活動をされているのかご存知でしょうか?まずは、そこからご紹介します。以下のような幅広い活動をされているそうです。

・合併浄化槽の設置促進
・環境配慮型製品の開発・販売
・廃食油の回収
・牛乳パックの回収
・リサイクル
・菜の花プロジェクト(仕組み作り、モデルケース作りetc)

「買い物が世界を変えた」記念日

藤井さんのお話は「琵琶湖」から始まりました。
  1977年に琵琶湖に赤潮が発生したのを契機に、「琵琶湖を汚した原因は自分たちにある」と主婦を中心にリンを含む合成洗剤をやめて石けんを使う運動が始まり、お店の棚からリン入りの合成洗剤が姿を消していきました。一時、石けんの使用率は70.6%になり、1980年琵琶湖条例の施行の日は「買い物が世界を変えた日」とされました。

合併浄化槽の普及に努めて

琵琶湖条例が施行され、リン入りの合成洗剤が消えても琵琶湖はきれいになってはいませんでした。そして、83年のさらなる琵琶湖からのSOSがありました。アオコの発生です。 石けんだけでは琵琶湖はきれいにならない。では、何が琵琶湖を汚しているのか。その原因を知るため、実際に流域を歩いて調査しました。そこで、し尿のみが単独浄化槽で処理されており、台所からの排水は垂れ流されているのを発見しました。このように当時の浄化槽の機能は十分なものではありませんでした。

それでは排水をキレイにするためにはどうすればいいのか。まず下水道を整備するという方法があります。ただ、下水道を整備するためには莫大なお金が必要で、都市型の人口の多い地域ではよくても、滋賀県の人口の少ない地域に適したものではありません。

そこで、お金をかけず、早くきれいな水にすることが出来るものとして合併浄化槽の普及促進を始めました。当時は国の基準が甘く、それにあわせて作られた、単独浄化槽では当然十分な処理ができません。しかし、国の法律は変えられず、県の条例も変えられず、それならば自分たちでするしかない!ということで合併浄化槽の販売促進を行っていかれたそうです。

エコ商品の販売

滋賀県環境生活協同組合さん事務所外観
↑事務所の概観です。

環境生協さんの活動として、忘れてはいけないのが「エコ商品の販売」です。廃食油を再利用した石けん”びわ湖”や保水クリーム”水の彩”など、環境にこだわった商品を取り扱っていらっしゃいます。 「最近は何もかもコマーシャルを見て買うようになってしまったのよね」と藤井さんはおっしゃっていました。確かにテレビなどマスメディアの力は大きいと感じ、私たちには耳の痛い話でした。

生協という組織で、「環境専門」のところは他にはありません。環境配慮の商品の販売開始を始めようとしていた当時、実際に販売している前例が日本にはあまりなかったので、ドイツへ視察に行って学ばれたそうです。今は様々な立場の方が環境生協の会員になって、その商品を買われています。  さて、水とエコ商品の話がひと段落して、次はエネルギーの話です。

『菜の花プロジェクト』のスタート

滋賀県環境生活協同組合さんの壁にかけられたタペストリー
↑事務所の壁にかけられたタペストリー 「菜の花プロジェクト」の資源循環サイクル

『菜の花プロジェクト』では、菜の花を育て、そこから収穫・搾油された菜種油を食用油として利用します。そして、その廃食油を回収して石けん、もしくはBDF燃料として加工し、スクールバスや農耕車などにクリーンなバイオマスエネルギーとして利用されています。

この活動はきれいな水を守り、クリーンエネルギーを使うという環境負荷を低減する役割とともに、放置された休耕田を菜の花畑にし、観光資源・環境教育の場としての価値を持たせるという地域活性化の役割も担っています。 また、この『菜の花プロジェクト』から“食べる・水・エネルギー”の地域での自立を進め、ただ享受するだけでなく、様々な事柄に関してしっかりと判断できる自立した市民を育んでいくことにつなげていければ、と考えておられるそうです。

資源循環サイクルの確立を目指して

『菜の花プロジェクト』では、菜の花を育て、そこから収穫・搾油された菜種油を食用油として利用します。そして、その廃食油を回収して石けん、もしくは BDF燃料として加工し、スクールバスや農耕車などにクリーンなバイオマスエネルギーとして利用されています。  

この活動はきれいな水を守り、クリーンエネルギーを使うという環境負荷を低減する役割とともに、放置された休耕田を菜の花畑にし、観光資源・環境教育の場としての価値を持たせるという地域活性化の役割も担っています。 また、この『菜の花プロジェクト』から“食べる・水・エネルギー”の地域での自立を進め、ただ享受するだけでなく、様々な事柄に関してしっかりと判断できる自立した市民を育んでいくことにつなげていければ、と考えておられるそうです。

キーワードは「命」

お話を伺っていて私たちは思いました。「藤井さんのパワフルな活動の原動力は何なのでしょうか?」伺ってみると、藤井さんのお答えは単純明快で、そして純粋だと感じました。「私は『命』を考えているだけ」と。

『命』を考えるからこそ、それを支える「食べ物」「水」「エネルギー」に着目されるのだそうです。そして、そこから今の日本の食糧自給率の低さを考え、琵琶湖の汚濁を考え、危険が伴う原発に頼る現状を考えると、自然とやるべきことが見えてくるのだと、藤井さんに教えていただきました。

だからこそ環境生協さんは行政よりも早く気づき、ドイツなどの先進事例に学びながら、未だリサイクルの広がっていない時代からそのシステムを作り上げたり、排水の流れを歩いて検証したりされてきたのです。活動の歴史の長さと先見性は、どこよりも一番なのではないかと感じました。

取材を終えて

何よりも「私は命を考えているだけ」という藤井さんの言葉に感銘を受けました。環境活動というと堅く難しいと考えてしまいがちですが、実はとても簡単なことなんじゃないか。自分の命を考えること、大好きな家族や友達、住んでいる地域、自然について考えること、全てはそこからはじまっているんだと感じました。私も環境生協で働きたいです!(三田)

表立っては語られない環境生協の活動の歴史の長さと先見性に驚かされました。自分が知っている環境に対する取組の元がそこにありました。私も命を考え、その命を守るために何が必要で何を変えていくべきかを考えるところから、自分にできることを見つけて、しっかりと行動に移していきたいと思いました。(阪井) ・様々なお話をお聞きしましたが、藤井さんが活動の理念として持っているものが「命を考える」という非常にシンプルなものであることに驚きました。 また、考えて、想像するだけで終わらせるのではなくて、実際にどのように行動に移すかを考えること、そして行動に移すということが必要だということでした。「買い物が世界を変える」この言葉を言葉だけで残しておくだけではなくて、日々実践をして前に進んでいく必要があるのだと思います。(齋藤)

(文責:滋賀県立グリーンコンシューマーサークル)

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